どうも、中南米大好き夫婦が時折更新するブログです。
この記事は、本ブログ初の海外文化に関する記事になります!
まず手始めにアルゼンチンのお食事事情からご紹介します。
本編に入る前に基礎情報!!
アルゼンチンを代表する料理といえば、アサド (Asado)です。
スペイン語で”焼いた”という意味ですが、アルゼンチンではBBQまたは焼肉と同義で使われる言葉です。

また、アサドと同じくよく聞く言葉でパリーシャ (Parrilla)という言葉があります。
こちらは”網焼き / グリル”という言葉で、最もポピュラーな肉などの焼き方になります。
アサドのほかにも、エンパナーダ (Empanada)、ロクロ (Locro)、ミラネサ (milanesa)チョリパン (Choripan)、パンチョ (Pancho)、ピザ (Pizza)など様々な食べ物があります。
後ほど詳しく説明します。
また、ワインの産地としても有名です。
アルゼンチン滞在中にスーパー、バー、レストラン、酒専門店、ワイナリーなど様々な所で得た情報も共有します。
それでは、魅力的なアルゼンチン食の世界をご紹介!
これから食べ物の写真が出てきます。お腹が空いている人は注意してください!
アサド(Asado)
アルゼンチンは世界最大級の牛肉産出国であり、消費国でもあります。
週末には友人や家族で集まってアサドを行うのが一般的。
ガスや電気ではなく、炭から火を起こすのがアルゼンチン流。
炭の香りが乗った肉の旨味は筆舌に尽くしがたいですね。

アサドを家でやるアルゼンチン人
けど、家にアサドをやるスペースなんてあるの?
たとえ、マンションであってもアサドをやるのがアルゼンチン人!
テラスに少しでもスペースがあれば、パリーシャ台を置くのが定番。
実際に私たちが住んでいたマンションでも、それほど広くないテラスにパリーシャ台を置いて週末アサドを楽しんでいる隣人がいました。
また、一軒家だとアサドスペースがついていることが当たり前って感じです。

大家さん宅のアサドスペース
アルゼンチンの南端まで行ったことがありますが、そこでも一軒家にはアサドスペースがありました。
アサドは外食としても大人気
アサドは家だけのモノではありません。
市内にはアサドのレストランも多数あります。
値段と品質などを比較してお気に入りのお店を見つける楽しみもあります。

アルゼンチンに来たら肉を食べよう
ここではざっくりとアサドでよく食べるお肉類を紹介します。

アサドの定番は牛肉ですが、豚肉や鶏肉、チーズなども食べます。
初めにソーセージやチーズなどのおつまみ系から始まり、本命の牛肉にはじっくりゆっくり火入れをしていきます。
嘘か誠か、7時間ほど前から火入れを始めるそう。
代表的な肉類
牛肉=カルネ(Carne, Carne de vacuno, Carne vacuna)
スペイン語でカルネは”肉”全般を指しますが、アルゼンチンでは牛肉を意味します。
最もポピュラーな部位は一つとして、アサド (Asado)というリブのような部位です。

これ、BBQや焼肉を意味するアサド (Asado) と全く一緒の単語なんですよねぇ。
また、バシーオ (Vacío)と呼ばれるアバラ付近のお肉もよく食されています。
メニューにAsadoと載っていたので、それ以外のメニューが別の調理法だと勘違いしていた海外からの観光客もいましたね。
実際、鉄板焼き(A la plancha)という調理法もあるにはありますし。
ウェイターが必死に『部位の名前だよ。』と説明していた場面を思い出します。
マタンブレ (Matambre)、オフォ・デ・ビフェ (Ojo de bife)、ビフェ・デ・アンチョ (Bife de ancho) 、ビフェ・デ・チョリソ (Bife de chorizo)、クアドリル (Cuadril)、エントラーニャ (Entraña)、ロモ (Lomo)など部位はたくさん。
軽い塩のみの味付けは、強烈な脂と赤身の旨味を引き立たせます。
ここに、チミチュリサルサをかけて味変とさっぱり感を追加します。
チミチュリ (Chimichurri)は、少し話題になったサルサ=ソースですよね。

チミチュリは、オリーブオイルにニンニクやパセリなど香草を漬けた、さっぱりとしたサルサです。
豚肉=セルド (Cerdo)
豚肉は牛肉に比べると人気が落ちるかなといった印象。
豚肉といえばボンディオラ (Bondiola)でしょう。
スーパーでもよく見かける部位ですが、首から肩にかけてのロースのような部分です。
脂が甘く、肉の旨味も柔らかといったところでしょうか。
鶏肉=ポショ (Pollo)
アサドにおいて鶏肉はあまり人気ではありません。
どうやらアルゼンチン人は赤身の中にある脂が大好きなようで、脂の少ない鶏肉は敬遠されがちかも?

さっぱりとした味わいで脂に懲りたら鶏肉がおススメ。+α安い!
アサドレストランでも、メニューの下のほうに書かれている事が多いです。
ソーセージ類
アルゼンチンでは、チョリソー / チョリソ (Chorizo)が一般的です。

ただ日本でよく見るチョリではなく、ハーブの効いたソーセージになります。
ですので、アルゼンチン国外ではChorizo argentino = アルゼンチンチョリソーと表記されることも。

また、チンチュリン (Chinchulín)という小腸のソーセージ、モルシーシャ (Morcilla)という血入りのソーセージなどもあります。

アサドやチョリなどを一度に食べることができるParrillada(パリシャーダ)というメニューもあるので、
ぜひ挑戦してみてください。
(写真は一人前)
地域性のあるお肉
羊肉=コルデロ (Cordero)
コルデロは、主にアルゼンチン南部で食されています。
南部ではコルデロが主流で、よく店先でぐるぐる回っています。
少し臭みがありますが、弾力など食べ応えは他の肉に勝るかな。

グアナコ (Guanaco)
グアナコは、パタゴニア地方に生息するリャマやアルパカの仲間です。
肉質はしっかりしており、前述の羊肉に近い食感です。

パタゴニア地方のレストランで提供している所があれば是非ご賞味ください。
(放牧されたグアナコの写真撮ったと思ってたんですけど、見つかりませんでした。)
アサド以外に有名な食べ物編
アルゼンチンの食事は、アサドだけではありません。
ファストフードからレストランで出るような食べ物まで一気に見ていきましょう!
エンパナーダ (Empanada)

エンパナーダは、具入りのパンです。
アルゼンチンに限らず、スペイン語圏を中心に世界各地で消費されています。
日本の“おにぎり”のような感覚で食されており、街中のいたるところで売られています。
具材は、牛煮込み、鶏肉煮込み、トウモロコシ、葉物野菜、などなど2~3個買えば、お腹いっぱいになります。
ロクロ (Locro)

ロクロは、アンデス地方で食されるシチューです。
シチューの中に少し甘さを感じる味になっています。
主に、牛肉とジャガイモ、トウモロコシ、豆類、カボチャなどを煮込んで作られます。
またアルゼンチンでは、五月革命がおこった5月25日によく食されています。
アルゼンチンで、1810年5月18~25日に起こった一連の出来事を指します。
アルゼンチンはスペイン植民地の一つであり、植民地からの脱却とその後の独立の足がかりになった出来事でもあります。
なぜこの日にロクロを食べるようになったのかは、知りません。
ミラネサ (Milanesa)

ミラネサは主に、アルゼンチン版の牛カツのことを指します。
ハーブ類で味付けした牛肉を薄く伸ばして、衣をつけて揚げています。
サクサクした食感としっかりとした肉の味がおいしいです。
ブエノスアイレスにはミラネサ専門店のClub Milanesa (クルブ・ミラネサ)なんてお店もあります。
ミラネサは主に牛かつですが、鶏肉を使ったチキンカツ・Milanesa de Pollo (ミラネサ・デ・ポショ)もあります。
ミラネサとだけ記載されていれば、牛カツで間違いないと思います。
チョリパン (Choripan)

チョリパンは、パンにチョリソーとチミチュリソースを挟んで食べるホットドッグのような食べ物です。
チョリソを縦に半分に開いて、バゲット上のパンに挟んで食べます。
シンプルだけどすごくおいしいです。
パンチョ (Pancho)

パンチョはチョリパンと並んで、代表的なお手軽フードで、
ホットドッグです。
↑のポテトフライのスティックがかかっているモノをスーペル・パンチョ (Super pancho)と呼んだりします。
多くのキオスクで売っていますが、たまに売っていないところも。
だいたい注文が入ってから作ってくれます。
ピザ (Pizza)

ピザです。
何の変哲もなさそうですが日本でよく見るピザとは少々異なります。
まず、アルゼンチンピザの生地は分厚く、具材も沢山のっています。
チーズも沢山のっているため、基本的に日本人には丸々1枚を食べきることは難しいと思います。
また、アルゼンチンピザの代表格にFugazzeta (フガセッタ)という玉ねぎとチーズのピザがあります。
アルゼンチンのオリジナルピザという話を聞いたことがあるので、
アルゼンチンに行った際にはぜひご賞味ください。

また、アルゼンチンではピザのピース売りも一般的なのでファストフードとしても大人気です。
奥がピザ、手前がエンパナーダ。
飲み物編
アルゼンチンの胃を支えるワイン
アルゼンチンの食事は脂が多めです。
そんな胃が荒れそうな食事もさっぱり食べれるのはワインのおかげ。
アルゼンチンを代表するぶどうは、赤ワイン用でMalbec (マルベック)、白ワイン用でTorrontés (トロンテス)。
マルベックは色の濃さから黒ワインと呼ばれることもあるそうです。
どちらも非常においしいですし、日本でも購入できるモノもあるのでお試しください。
ただ、やはり本場の食事と一緒に味わうことがおススメです。

一大生産地であるメンドーサ (Mendoza)ではワイナリーツアーも盛んです。
ほかにもサルタ (Salta) もブドウ栽培で有名。
アルゼンチンに行った際にはお立ち寄りください。
アルゼンチンワインのあれこれ(興味がある方向け)
マルベックはどっしりとした粘度のある味、トロンテスはすっきりとした酸味がある味になっています。
トロンテスのロゼも甘味が少なく大変美味しいです。
品種による味の違いは個人の感想です。
ワイナリー曰く、ブドウは雨が少なく日当たりのよい場所が栽培に適しているようで、
メンドーサを含むアンデス地域は最適ということになります。
また、高地であることも重要らしくこれまたアンデス地域がぴったり。
ほとんど雨が降らないメンドーサですが、
生活用の水はアンデス山脈から流れてくる雪解け水があるため問題ないとのこと。
地理的気候的条件から品質の高いブドウがたくさん取れるため、
風味も強く比較的安いことがアルゼンチンワインの特徴です。
ちなみに一番のお気に入りワイナリーはコロメ。(メンドーサ地方じゃない笑)
お土産としても日本に買って帰りました。

圧倒的苦味を飲むお酒?
アルゼンチンには、ワインのほかに有名なアルコール飲料があります。
その名もFernet (フェルネッ / フェルネット)。

もともとはイタリアのハーブ酒ですが、アルゼンチンにはイタリア人が大量に移り住んだ歴史があります。
そのため、アルゼンチンには食べ物を含めたイタリアの文化が定着しました。
フェルネット単体の味は、ただただ苦いです。
このフェルネットをコーラと割ったモノがアルゼンチンの若者を中心に大人気です。
ぜひアルゼンチンに行った際はお試しください。
コーヒー文化
アルゼンチン、とりわけブエノスアイレス都市圏には数多くのカフェがあります。
カフェで朝食を取る人たちが多いですね。
朝食はメディアルナ (Medialuna)というクロワッサンに似たパンとコーヒーの組み合わせがポピュラーです。

ブエノスアイレスに行った際には朝食にメディアルナとコーヒーをどうぞご賞味あれ!
最後は甘味
アルゼンチンの代表的なスイーツに、アルファフォール (チョコパイ的なモノ)やドゥルセ・デ・レチェ (練乳みたいなモノ)などありますが、二人とも甘いものが苦手なので語ることがあまりないです。
ですが、アルゼンチンのプリンとアイスは美味しいと感じたので紹介します!
プリン

Flan casero (フラン・カセロ)という名でよくレストランメニューに並んでいます。
カセロは自家製という意味です。
多くのレストランが自前で準備しており、少しずつ味や食感が違います。
基本的に日本の滑らかなプリンとは異なり、昔のつぶつぶした感じの素朴なプリンです。
合わせてドゥルセ・デ・レチェやホイップが付いてきます。
甘いものが大好きな方は一緒に食べるとよい甘さになるかもしれません。
アイス
アイスも売っていますが、どちらかというとジェラートがアルゼンチンでは人気かもしれません。
Gelatería (ヘラテリーア) ジェラート屋があり、Heladería (エラデリーア) アイス屋よりも数があった気がします。
アイス屋でもジェラートは売っています。
特にRapa Nui というチョコ&アイスのお店はおしゃれでおいしくて外国人にも大人気っぽいです。

ホントの最後!
最後にアルゼンチンに拠点を置くハンバーガーチェーンを紹介。
その名もモスタサ (Mostaza)※スペイン語でマスタードの意味。

ボリューム感や炭火の感じは、某米国のバーガーの王様と同じ感じです。
ただ現地だと王様より安く肉が多いといった感じ。
ブエノスアイレス市内にはたくさん店舗があるので是非ご賞味あれ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アルゼンチンは日本ほど食材が豊かではなく、特にお肉の消費が非常に多いため食事のバリエーションも多くはありません。
ただ、アルゼンチンの食文化は肉を味わう事に関しては最高です!
あと何気に中南米では珍しい生野菜が (下処理したうえで) 安心して食べられる国でもあります。
ぜひアルゼンチンに行って暴力的な旨味の肉とワインの合わせ技を楽しんでください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。